次に経費の中で最も大きなウェイトを占める人件費について分析していきたいと思います。
まず売上に占める人件費の割合は
人件費÷売上=30%以内
を目標にしましょう。当日の売上が10万円であれば使用できる人件費は3万円以内となります。この目標数値を日々積み上げる事が人件費管理の最も重要な管理項目です。
人員配置=人件費
といっても過言ではないでしょう。1ヶ月の人員配置表を作成する事は1ヶ月の人件費を意味します。経営の観点からはそのような視点で捉えていきましょう。
重要なのは人員配置表(スケジュール表)です。
例:1か月単位で作成する事をお勧めします。
【人員計画表の作成方法】
①1ヶ月の日別の売上予測を記入(勿論月間合計も記入)
②人員配置(誰が何時から何時の出勤か、後々変更が多発しないように事前に従業員に確認しましょう)
③人件費を日別に算出し記入(勿論月間合計も記入)
このタイミングで
月間売上予測に対する人件費の占める割合を算出
30%以内であればOKですね!!!
30%以上になっているようであれば、日別に人件費が高い日の人員配置を確認し調整が必要です。
この作業が人件費管理で最も重要で厳しい目で管理できる責任者が行う事をお勧め致します。店舗によってはベテランのアルバイトさんが行う事もあるようですが、経営といった観点で人員計画する事は難しいと思いますので、責任者の仕事とする事が望ましいです。
人員配置表で個人別の時給より人件費の算出をする事が大変であれば
目安となる人件費の指標「平均時給」を用いる事も大切です。
1ヶ月単位での算出(1ヶ月の平均値)が良いと思います。平均時給には2種類存在します。
①社員を含む場合(総人件費÷総労働時間)
②社員を含まない場合(アルバイト総人件費÷アルバイト総労働時間)
例として月間300万円の売上の店舗で
上記①の場合:人件費90万円、総労働時間500時間であれば平均時給は約1800円
上記②の場合:人件費65万円、総労働時間430時間であれば平均時給は約1500円
といった数値になります。意外と時給よりも高いと思われる事でしょう。
交通費などを考慮しますとこのような額面契約時給よりかなり高くなります。
一度平均時給を算出してみましょう。
このように平均時給を捉えておけば、人員計画表には労働時間が明記されている前提なので、日々及び月間の想定人件費を算出するのは簡単です。
私も店長時代には毎月自分の仕事として人員計画表とにらめっこしていました。
1か月単位で人員計画を組む事でメリットは大きく2つ存在すると思います。
①経営管理の観点から「人件費」の予測が持てる ②従業員にも出勤日、休日のメリハリを1ヶ月単位で明確に示す事が出来きプライベートの時間も計画的に活用できる。
とは言っても現実的には人員不足の時期・タイミングはあるはずです。人員付属の一番の「難点・弱点」は見込める売上を逃してしまう事です。いわゆるチャンスロスです。
~~~人員不足が引き起こす主な要因~~~
①オペレーション能力の低下(お出迎え・御案内・御注文・調理・提供・会計・お見送り・下げ膳)の低下は回転率の低下に直結する為に売上ダウン(チャンスロス)となる。
②お客様満足の欠落(オペレーションの低下はお客様への不満の第一歩である)皆さんが実際に食事に行った際を考えて頂ければ分かりますね。
人員不足はあってはならないですがやむを得ず発生した場合は早めに人材派遣を申し込みましょう。以下のリンクを張っておきますので除いて下さい。正直人件費負担は大きくなりますが、混雑する時間帯のみ、チャンスロス防止の観点から派遣を雇うのも選択肢の一つですね!!私もやむを得ない時は利用してました。
【売上1H生産性】
1時間当たりの店舗の生産性を数字で表したもので、生産性を
常に意識する事で人件費管理がより明確になります。
売上÷労働時間=生産性
で算出する事が出来ます。(例)1日の売上200,000円、労働時間50時間(H)であれば生産性は「4000円」となります。この労働時間はキッチン、接客、社員を含む総労働時間です。
目標数値としてラーメン店:5,000円、ファミレス4000円、居酒屋5500円程度。この数値を一日を通して達成していれば「適正人員配置・適正労働時間」といえるでしょう。この目標数値を計画の段階(人員配置表)で売上目標労働時間計画を記入する事で事前に生産性計画も立てる事が出来ます。
売上計画を下回った際に「早上がり」を募るのは生産性を維持する為ですね。
【教育】
生産性を向上させるために必須なのが「従業員教育」です。
能力の高い従業員、何でも出来る従業員を「育てる」事が結果人件費貢献に繋がります。
大手チェーン店は従業員のレベルに合わせて細かく時給設定をしております。従って時給を上げるには自分のレベルアップが不可欠である事を認識しているのです。
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